2005年06月03日

SK5-CSPH(JIS G4802 ばね用冷間圧延鋼帯)でシックネスゲージ(スキマゲージ)

SK5-CSPHという材料でシックネスゲージ(スキマゲージ)を作りたいんですが。。。

という相談を受けたときがありました。
スキマゲージなんで、形状自体は単純なので加工自体は問題ないのですが、SK5-CSPHという材料はこれまでうちの部品加工で使った材料にはなかったと思ったので即答できませんでした。

そこで、いろいろその時に調べてみました。

ちなみに、シックネスゲージとは、スキマゲージとか言ったりもしますが、測定工具の一種です。
要は細長い薄板ですね。
市販のものは12.7mm幅で、長さが75mmから300mm程度のものが一般的のようです。
市販のものだと、フィラーゲージという名称で通っていると思います。JIS規格もあります。
すきまゲージについて、詳しくは以下のJISを参照してくださいね。

「JIS B7524 すきまゲージ」

シックネスゲージ(すきまゲージ)は読んで字のごとく、ものとものとの間隔・隙間・厚さ(シックネス)を測定するのに用いられ、他の測定器では計り得ないような微細な二平面の間隔(すきま)を簡単にかつ正確に検査・測定することができます。自動車や発動機関のピストンやシリンダー部の間隔(スキマ)測定には欠くことのできない測定具です。

なお、以下は私が調べた限りのことですので、間違ってることがあるかもしれませんので、そこはあしからずご了承下さい。
というか、間違いがあったら教えて下さいね。


で、SK5-CSPHという材料の話に戻りますが、、、

この材料はJISでは、

「JIS G4802 ばね用冷間圧延鋼帯」

の中で規定されています。

「SK5-CSPH」という材料記号で、「CSP」というのがばね材であることを意味しています。ステンレスばね材だと、例えば、SUS304-CSPなどは、薄板で精密板金・板金加工においてよく使われる材料になります。ちなみに、記号「H」は、焼入れ焼戻しを意味しています。

ところでシックネスゲージ(スキマゲージ)は市販のものがあるわけですが、その材質は、SK2とかSK5といったいわゆるゲージ鋼(SK)で出来ているようです。(ステンレス鋼製もあります)

実際、すきまゲージのJIS規格でも、材料・硬さについては以下のように規定されています。

「JIS B7524 すきまゲージ」
材料・硬さ
・【材料】:材料はJIS G4401に規定する、SK2〜5又はこれらと機械的性質が同等以上のものとする。
・【硬さ】:硬さは、HV420±50 とする。

JIS G4401というのは「炭素工具鋼鋼材」としてJISに規定されている材料です。
(記号:SK●・・・・SK2とかSK5などがあり、●は材料のグレード。数字の小さい方がグレード高い)

では、今回ご相談のあった、「SK5-CSPH JIS G4802 ばね用冷間圧延鋼帯」は、シックネスゲージ(スキマゲージ)として使用するには、材料としてどうなんでしょうか。ふさわしいんでしょうか。

その際のポイントとなるのが、材料の硬さということになると思います。
実際、SK5-CSPHでシックネスゲージを作りたい理由のひとつには、市販のフィーラゲージだとコシが弱くてすぐにクセがついて長持ちしないとのことだそうです。

この材料の硬さは、「JIS G4802 ばね用冷間圧延鋼帯」の中で、HV350〜HV600(焼入れ焼き戻し)と規定されているので、下限は低いですが、HV420±50という、「JIS B7524 すきまゲージ」でのスキマゲージとしての要求は一応クリアということになりますね。

さぁ、ここまでわかってきました。

次は材料屋さんに見積とってみる訳ですが、商品一覧みても「SK5-CSPH」なんて材料無いんです。。。(炭素工具鋼鋼材でSK5はありますが)。

SK5-CSPH というのはあくまでJISの記号なので、実際に市場に出回ってる材料名・記号としては別にあるのでしょうか。

ということで、その辺のところをまたいろいろ調べてみた結果・・・

通称、「焼入れリボン鋼

といってる材料を買えば問題ないらしい。焼入れリボン鋼なら、精密板金・板金加工・試作加工部品として、うちでもよく使う材料です。
かなりいろいろ調べて遠回りしたんで、なぁーんだ、そうだったのかぁ、とうい感想でしたが、いろいろ調べたことでそれがまた自分の勉強にもなったんでそれはそれでヨシ、ですね。

というわけで、ご要望のシックネスゲージ(すきまゲージ)は焼入れリボン鋼で作ればよかったということでした。

焼入れリボン鋼の製造メーカーさんに直接電話して聞いたところ、焼入れリボン鋼に該当するJIS規格が、「JIS G4802 ばね用冷間圧延鋼帯」だよ、とのことでした。


この焼入れリボン鋼という材料は、JIS規格でいうところの、

「みがき特殊帯鋼 JIS G3311 例:SK●M (●は5、4等グレードを示す)」

に、焼入れ焼戻しをした鋼帯のことだそうです。これに該当するJISが、

 「SK●-CSPH JIS G4802(ばね用冷間圧延鋼帯)」

となるそうです。

ちなみに、焼入れリボン鋼の材料記号としては、メーカーさんの商品名で、QSK5、とか、QSK2などで通っているようです。

焼入れリボン鋼長井技研で作った製品サンプルとしてはこんなものがあります。

焼入れリボン鋼 製品サンプル1 焼入れリボン鋼 製品サンプル2

写真ではちょっとわかりずらいですが、材料表面は青光りしてます。これがブルーテンパー。
他に、熱処理・仕上げ状態によって、ホワイトテンパー、白みがきなどでも材料としては購入できるようです。





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Comment on "SK5-CSPH(JIS G4802 ばね用冷間圧延鋼帯)でシックネスゲージ(スキマゲージ)"

sus 25tX250X250を冷間圧延加工出来ますか
但し 材料は支給です。
東北大学研究室向けです。

岩田 一夫 様

こんにちは。はじめまして。コメントありがとうございます。

さて。。。

ご質問の内容ですが、 『sus 25tX250X250』を支給頂いて、それをある所定の板厚・寸法・形状に冷間圧延するという意味でしょうか?

それとも、ある所定の板厚・寸法・形状のSUS材料を支給頂いて、それを 『sus 25tX250X250』の板厚・寸法・形状に冷間圧延する、という意味でしょうか?

まぁ、いずれの場合にしても、うちには圧延機があるわけではないので、お役には立てなそうな気がしますが。。。すみませんです。

尚、詳しいお話は後ほど別途個別にご連絡させていただきます。

  •   2bo2bo
  • 2005年07月01日 13:05

岩田 一夫 様

度々失礼します。
ご登録頂いたメールアドレスにメール入れさせていただきましたが、エラーメールが返ってきました。

岩田様の会社代表メールアドレスにもCC入れておいたのですが、そちらにはメール入ってると思います。

ご確認下さい。

  •   2bo2bo
  • 2005年07月01日 13:35

早速連絡ありがとうございます。
SUS板を支給してそのまま たとえば25tを13tまで冷間圧延していただきたいのです。
弊社では どのような会社に依頼したらよいか皆目わかりません。照会あるいは貴社経由で おねがいできませんでしょうか?

岩田 一夫 様

こんばんわ。
お困りのようですね。詳しいお話をお聞かせ頂ければと思います。
お力になれるかどうか保証の限りではありませんが・・・
時間を見つけてこちらからお電話してみますが、よろしければ、お時間の都合のよいときにでもお電話いただければありがたいです。
よろしくお願いします。

  •   2bo2bo
  • 2005年07月05日 01:51

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