2006年02月15日

JIS規格 みがき特殊帯鋼 JIS G 3311:2004/SK,SKS,SUP,試験,炭素鋼,工具鋼,クロム鋼,ばね鋼,ニッケル,モリブデン,マンガン鋼など

引き続き長井技研ホームページの更新情報。

資料館』にJISに規定される鉄鋼(金属材料)の種類・特性・用語 などについて、JIS規格本文の内容を抜粋してまとめました。
今回追加した内容は、

みがき特殊帯鋼(S45CM、SK85M(SK5M)、SUP6M など)

ということで、以下のJIS規格本体の内容をまとめています。

JIS G 3311:2004 みがき特殊帯鋼 Cold rolled special steel strip

資料館』 の 『3.JISに規定される鉄鋼(金属材料)の種類・特性・用語など』 のコンテンツとして追加しています。
こちらのリンクからどうぞ。

資料館

3.JISに規定される鉄鋼(金属材料)の種類・特性・用語など

JIS G 3311:2004 みがき特殊帯鋼
Cold rolled special steel strip

JIS規格 『JIS G 3311:2004 みがき特殊帯鋼』 本文では、橋、みがき特殊帯鋼(以下、帯鋼という。)について規定されています。
ただし、帯鋼からせん断した切板についてもこの規格が適用されます。

詳しくはこちらのJIS規格、 『JIS G 3311:2004 みがき特殊帯鋼』 からどうぞ。

よろしければこちらもご参考に。

>> 板金加工・精密板金の材料
>> 材料の豆知識

尚以下にも、JIS規格、 『JIS G 3311:2004 みがき特殊帯鋼』 の内容について記載しておきます。


JIS規格 JIS G 3311:2004 みがき特殊帯鋼


1.適用範囲

この規格は、橋、みがき特殊帯鋼(以下、帯鋼という。)について規定する。ただし、帯鋼からせん断した切板についてもこの規格を適用する。


2.引用規格

付表1 に示す規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は、その最新版(追補を含む。)を適用する。


3.種類及び記号

みがき特殊帯鋼は、38種類とし、種類の記号は、表1 による。

表1 種類の記号

炭素鋼
S30CM
S35CM
S45CM
S50CM
S55CM
S60CM
S65CM
S70CM
S75CM

炭素工具鋼
SK120M
(SK2M)
SK105M
(SK3M)
SK95M
(SK4M)
SK85M
(SK5M)
SK75M
(SK6M)
SK65M
(SK7M)

合金工具鋼
SKS2M
SKS5M
SKS51M
SKS7M
SKS81M
SKS95M

クロム鋼
SCr420M
SCr435M
SCr440M

ニッケルクロム鋼
SNC415M
SNC631M
SNC836M

ニッケルクロムモリブデン鋼
SNCM220M
SNCM415M

クロムモリブデン鋼
SCM415M
SCM430M
SCM435M
SCM440M

ばね鋼
SUP6M
SUP9M
SUP10M

マンガン鋼
SMn438M
SMn443M

備考: 括弧は、旧JISの種類の記号を示す。
参考: SK75M 及び SK65M は、5年後の見直し時に削除する予定。


4.製造方法

みがき特殊帯鋼の製造方法は、熱間圧延後に冷間圧延を行い、冷間圧延のままとするか、又は冷間圧延後に焼なましを行う。


5.化学成分


5.1 溶鋼分析値

みがき特殊帯鋼は、10.1 によって試験を行い、その溶鋼分析値は、表2 による。


5.2 製品分析値

注文者が製品分析を要求する場合、10.1 によって試験を行い、その値は、表2 の値に、JIS G 0321 の付表3 又は 付表4 による許容変動値を適用する。ただし、付表3 は、炭素鋼及び炭素工具鋼に適用し、付表4 は、合金工具鋼、クロム鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデン鋼、ばね鋼及びマンガン鋼に適用する。

表2 化学成分 (単位:%) (表は割愛)


6.硬さ

焼なましを行ったみがき特殊帯鋼は、10.2 によって試験を行い、その硬さは表3 による。ただし、冷間圧延のままのみがき特殊帯鋼の硬さについては、受渡当事者間の協定による。この場合の硬さの範囲を参考として参考表1 に示す。

表3 焼なまし状態のみがき特殊帯鋼の硬さ (表は割愛)

参考表1 冷間圧延のままのみがき特殊帯鋼の硬さの範囲 (表は割愛)


7.内部品質

みがき特殊帯鋼は、10.3 及び 10.4 によって試験を行い、その顕微鏡組織は、通常、一様な球状炭化物が分布し、網目状炭化物の残留及び著しい脱炭があってはならない。


8.外観

みがき特殊帯鋼は、表面が滑らかで、有害なひずみ、さび、きず、耳割れ、酸化皮膜などの欠点があってはならない。


9.寸法及び寸法の許容差


9.1 寸法

寸法は、受渡当事者間の協定による。


9.2 厚さの許容差

みがき特殊帯鋼の厚さの許容差は、A及びBに区分し、表4 による。この場合、注文者は、いずれの許容差によるかを指定しなければならない。厚さを測定する位置は、両耳から10mm以上内側の任意の点とし、幅が20mm以下の場合は幅の中央部とする。

表4 厚さの許容差 (単位:mm) (表は割愛)


9.3 幅の許容差

みがき特殊帯鋼の幅の許容差は、表5 による。

表5 幅の許容差 (単位:mm) (表は割愛)


9.4 横曲がりの許容差

みがき特殊帯鋼の横曲がり(1)の最大値は、任意の長さ2mにつき4mmとする。だだし、幅80mm未満のものについては、受渡当事者間の協定による。長さが2m未満の場合は、次の式で計算してもよい。
C2=(l2/l1)2×C1
ここに、
C2 : 横曲がりの許容差(mm)
C1 : 4mm
l2 : 2mm未満の長さ(m)
l1 : 2m

注(1) 横曲がりとは、長さの方向に対する左右のわん曲をいい、図1 のように測る。だだし、両端1mをのぞく。なお、横曲がりは、注文者の要求のある場合に適用する。

図1 みがき特殊帯鋼の横曲がり
図1 みがき特殊帯鋼の横曲がり


9.5 長さの許容差

みがき特殊帯鋼からせん断した切板の長さの許容差は、表6 による。

表6 長さの許容差 (単位:mm) (表は割愛)


10.試験


10.1 分析試験


10.1.1 分析試験の一般事項

みがき特殊帯鋼の化学成分は、通常、溶綱分析によって求め、分析試験の一般事項は、JIS G 0404 の 8.(化学成分) による。


10.1.2 分析試料の採り方

分析試料の採り方は、次による。
溶綱分析 : 溶綱分析試料の採り方は、JIS G 0404 の 8.(化学成分) による。
製品分析 : 注文者が製品分析を要求する場合の製品分析試料の採り方は、JIS G 0321 の 4.(分析用試料採取方法) による。


10.1.3 分析方法

溶鋼分析は、JIS G 0320 によって行い、製品分析は、JIS G 0321 によって行う。


10.2 硬さ試験


10.2.1 供試材の採り方及び試験片の数

硬さ試験の供試材は、同一溶鋼、同一熱処理ロット、同一寸法ごとに1個採り、供試材1個から試験片1個を採取する。


10.2.2 試験方法

試験方法は、JIS Z 2244 による。


10.3 顕微鏡組織試験

顕微鏡組織試験の供試材の採り方及び試験片の数並びに試験方法は、受渡当事者間の協定による。


10.4 脱炭試験


10.4.1 供試材の採り方及び試験片の数

脱炭試験の供試材の採り方及び試験片の数は、10.2.1 に準じる。


10.4.2 試験方法

試験方法は、JIS G 0558 による。


11.検査

検査は、次による。

検査の一般事項は、JIS G 0404 による。
化学成分は、5.に適合しなければならない。
硬さは、6.に適合しなければならない。
内部品質は、7.に適合しなければならない。
外観は、8.に適合しなければならない。
寸法は、9.に適合しなければならない。


12.表示

検査に合格したみがき特殊帯鋼は、1包装ごとに次の事項を表示する。ただし、注文者の承認を得る場合は、その一部を省略してもよい。なお、質量については出荷ロットごとでよい。

種類の記号
寸法
厚さ許容差の区分
製造番号又は検査番号
質量
製造業者名又はその略称


13.報告

報告は、JIS G 0404 の 13.(報告) による。あらかじめ注文者の要求がある場合には、JIS G 0415 による検査文書を提出しなければならない。検査文書の種類は、特に指定のない場合、JIS G 0415 の 表1(検査文書の総括表) の 記号2.3(受渡試験報告書) 又は3.1.B(検査証明書3.1.B) とする。


【付表1 引用規格】

JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品 - 検査文書
JIS G 0558 鋼の脱炭層深さの測定方法
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験 - 試験方法





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 SMAGICってSK、SKSよりも溶接性がいいらしいね。

  •   サクラメント
  • 2008年08月07日 19:48

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