2005年06月14日

ワイヤーカット後の表面スラッジ(変色、錆、腐食)除去作業:ステンレス偏

今日は結構根気の要る作業。

先週、SUS304-CSP H の薄板を板金加工ということで、足踏みシャーリングで切断(カット)、フートプレス(通称、ケトバシ)で穴あけをして、下準備をしておいたステンレスばね材の薄板のワイヤーカット(ワイヤー加工)が完了。

ワイヤーカットとは、放電加工の一種で、放電を利用して金属材料を加工する特殊加工です。電極として、φ0.03mm〜φ0.3mm程度の真鍮(黄銅)製などのワイヤを用いて、ワイヤ電極と工作物の間で放電加工を行うことによって必要な形状に金属材料を加工していきます。

水中でワイヤ電極間に電圧をかけ放電させるので、その放電加工の際に、ワーク(金属材料)が電食されたり、水溶液中のスラッジ、錆(さび)などがワーク(金属材料)表面に浮いたりするので、加工後、金属材料表面が広範囲にわたって変色してしまいます。
錆びたような?焼け焦げたような?感じになります。
真鍮などの伸銅品(銅合金)が特に変色(スラッジ、錆、腐食)を受け易いようですが、ステンレスでも変色してしまいます。
(機械が古いから?最新、高機能のワイヤー放電加工機なら大丈夫?その辺、難しいことはよくわかりませんが・・・)

写真右側のように変色します。(写真は SUS304-CSP t0.03)
ステンレスばね材 SUS304-CSP H t0.03

この変色はもちろん、水洗いでも、シンナーなんかでこすっても落ちません。

本日の作業というのは、この変色を落し、写真右側のようなピカピカの状態に仕上ることです。
この表面の変色(スラッジ、さび、腐食)を除去するには、専用の洗浄剤があるのでそれを使います。
今回は金属材料がステンレスなので、ステンレス用の金属表面処理のための洗浄剤を使います。

その作業の手順としては、(うちでやってるやり方です)

1.前処理として、軽く汚れや脱脂をする
2.専用の洗浄剤に金属材料を浸漬する。
3.1〜2分程度(この洗浄剤の場合)浸漬後、引上げてよく水洗い。
4.十分に乾燥させる。

という具合です。
何が根気がいるかって、今回の場合は数量がちょっと多いということもありますが、それよりも板厚が一番薄いもので、紙よりも薄いt0.03しかないので、ちょっとしたことですぐに製品が変形してしまうので、ハンドリングに気を使うことです。

今回の場合は硬質Hなんで、薄板でも硬いものですから多少助かりましたけど、これぐらい薄くてもっと柔らかい材料だったら、ほんと気を使いますね。
すぐに曲がっちゃったりしますから。

で、この変色除去後の完成品が、写真右側です。
ピッカピカですねぇ〜。
お疲れさまでした。






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